●日本の演劇人を育てるプロジェクト 文化庁海外研修の成果公演

文化庁新進芸術家海外研修制度において、海外で研修され研鑽を積まれた成果を発表することを⽬的としています。演劇分野においては「次代の⽂化を創造する新進芸術家育成事業「⽇本の演劇⼈を育てるプロジェクト」」の⼀環として実施しています。

『みえないくに』

あらすじ



翻訳者は裏切り者……?
戦争と経済に揺れながら「みえないくに」を⾒ようとする、翻訳者たちの物語――

これは、架空の国グラゴニア共和国で話されている、グラゴニア語に魅了された翻訳者の物語。鴨橋真由(かもはしまゆ)は、⽇本では、マイナー⾔語であるグラゴニア語を独学で学んだ、グラゴニア語研究のパイオニアだった。彼⼥の夢は、「グラ⽇・⽇グラ辞典」という辞書を⽇本で出版すること。⼩さな出版社「⽉銭社(げっせんしゃ)」の編集者の重⼭朝⼦(しげやまあさこ)に、ダメ元で「グラ⽇・⽇グラ辞典」の出版を提案したところ、定年間近の重⼭は、退社前に意義のある本を出したいと思っていたこともあり、乗り気になってくれた。そして、社内会議でOKをもらえたところまでこぎつけたのだが、そこへ、グラゴニアが隣国に侵攻したというニュースが⾶び込んでくる。


公益社団法⼈⽇本劇団協議会では、2024年1⽉18⽇(⽊)〜21⽇(⽇)、東京芸術劇場 シアターイーストにおきまして、「⽇本の演劇⼈を育てるプロジェクト」⽂化庁海外研修の成果公演「みえないくに」の公演を⾏います。この公演は、⽂化庁新進芸術家海外研修制度において、イギリスで研修、研鑽を積んだ劇団印象の鈴⽊アツトが成果を発表すべく、本公演のための書き下ろし戯曲を演出いたします。壮⼀帆、岡千絵、⼟居裕⼦のベテラン俳優陣が、架空の国「グラゴニア」の⾔葉を巡って翻弄される⼥性たちの姿を描きます。海外研修の成果公演「みえないくに」どうぞご期待ください。

キャスト

  • 壮 ⼀帆
  • 岡 千絵
  • 井上一馬 (イッツフォーリーズ)
  • ⽟置祐也 (演劇集団円)

    • ⽥中愛実 (イッツフォーリーズ)

    • ⼤川 永 (イッツフォーリーズ)

    • 森⼭真⾐ (イッツフォーリーズ)

    • ⼟居裕⼦




    壮⼀帆コメント
    この度「みえないくに」に出演いたします、壮⼀帆です。
    久々のストレートプレイでこの作品が持つメッセージ性や奥深さを、今の私がどこまで表現できるのか。 多少の不安はありますが、まっさらな気持ちで挑み、演出の鈴⽊アツトさん⾊にどっぷり浸かってしっかり染まっていきたいと思います。短い公演期間ではありますが、しっかり集中してこの作品の中に根をおろして⽴つことができるよう頑張ります。

    岡千絵 コメント
    "みえないくに"の脚本を読んでから聞こえてくる⾔葉、ニュース、が全て新しいものに感じます。みえないものをみようとする事を怠って いた⾃分やみえているものに安⼼し頼って⽣きている⾃分にハッとさせられる⽇々でもあります。作、演出の鈴⽊アツトさんはじめ、⼟ 居裕⼦さん、壮⼀帆さんほか、素晴らしいスタッフキャストの皆様と、この作品を作り上げて⾏ける事に、とても興奮しています。

    ⼟居裕⼦ コメント
    みえないくに。
    この舞台のお話をいただいてから、世界が⽬まぐるしく変わっていっている気がします。どんどん加速している!⼤丈夫??作者であり 演出をなさる鈴⽊アツトさんは、こんな今を、どこか頭の⽚隅に想像していたのだろうか?すごいぞ!そんな中で、「⾔葉」という、⼈ が持つ最⼤で最⾼のコミュニケーションツールを⼤切にしている。これもすごいな。共演のみなさんも魅⼒溢れる⽅ばかりでとても楽し みです。テーマである「⾔の葉」をいっぱい繁らせて、⼼をひとつにして、皆様に届く作品にしていきたいなと。まだ稽古前ですが漠然 と考えています。
    鈴⽊アツト(劇団印象-indian elephant-)

    劇作家、演出家。東京都出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業を卒業後、2003年劇団印象-indian elephant-を旗揚げ。2014年劇団をNPO法人化(特定非営利活動法人)。2015年国際交流基金アジアセンター アジアフェローとして、タイに2ヶ月滞在。また、文化庁新進芸術家 海外研修制度研修員として英国・ロンドンに10ヶ月留学。2016年、『The Bite(英訳版青鬼) 』と『グローバル・ベイビー・ファクトリ ー』が、ロンドンでリーディング上演される。2019年には、ポーランド・ベンジン市のドルマーナ劇場から招聘され、『Ciuf Ciuf!(チュ フ・チュフ)』(作・演出)を滞在創作した。2020年『エーリヒ・ケストナー~消された名前~』にて、初の評伝劇に挑戦し、毎日新聞 に取り上げられる等、好評を博した。2021年には、国家と芸術家シリーズ第2弾『藤田嗣治-白い暗闇-』を、2022年6月、シリーズ第3弾 『ジョージ・オーウェル-沈黙の声-』を、10月、シリーズ最終章となる『カレル・チャペック-水の足音-』を上演。

    コメント
    イタリア語には「Traduttore, traditore」(トラドゥットーレ・トラディトーレ)という、ことわざがある。「翻訳には誤訳がつきもの」という意味だが、直訳は「翻訳者は裏切り者」(この語は、ヴェネツィア共和国とオスマン帝国の関係の中で⽣ まれたという説がある)。ロシアとウクライナの戦争が起こり、「ロシア語」それ⾃体が悪者のようになり、ロシア語の翻 訳者たちも、「裏切り者」のように扱われた時期があった。⼆つの⾔語を⾏き来することができる翻訳者という存在は、危 機が起こると、どちらの側からも敵側にいるように⾒え、板挟みになってしまう。これは、古くから繰り返されてきたこと なのだと思う。本作では、翻訳者の中でも、マイナー⾔語の翻訳者を題材にした。遠く、馴染みの薄い、異国の物語や状況 を⽇本語に翻訳してくれる存在が、僕らに何をもたらしてくれているのか。そのことに思いを馳せてみたかったのだ。
    演 出 鈴⽊アツト
    スタッフ 美術:⼟岐研⼀
    ドラマトゥルク:沈池娟
    舞台監督:折⽥彰平(ステージワークURAK)
    照明:篠⽊⼀吉(創光房)
    ⾳響:斎藤裕喜(Québec)
    ⾐裳:仲村祐妃⼦
    演出助⼿:モカ
    ⾳楽:村上理恵
    宣伝:中島康江
    プロデューサー:松本崚汰
    日 時 2024年1月18日(木)~21日(日)

    上演時間1時間50分(休憩なし)

    1/18(木)  14:00/19:00
    1/19(金)  14:00/19:00
    1/20(土)  13:00/18:00
    1/21(日)  13:00

    ※受付開始は開演45分前、開場は開演の30分前

    会 場 東京芸術劇場シアターイースト
    〒171-0021
    東京都豊島区⻄池袋1-8-1
    TEL:03-5391-2111(9:00~22:00※休館日を除く

    JR・東京メトロ・東武東上線・西武池袋線 池袋駅西口より徒歩2分。駅地下通路2b出口と直結しています。
    主 催 公益社団法人日本劇団協議会
    入場料 前売開始・・・2023年12月1日(金)

    前売    4,500円
    当日    5,000円
    U25    2,500円(25歳以下、当日要年齢証明)
    ※U25チケットはオールスタッフ、カンフェティのみ取り扱い

    チケット取扱い オールスタッフ TEL.03-5823-1055(平⽇11:00~18:00)
    ぴあ
    イープラス
    カンフェティチケットセンター
    東京芸術劇場ボックスオフィス TEL:0570-010-296(休館日を除く10:00~19:00)
    窓口:営業時間 休館日を除く10:00~19:00

    ※公演中⽌の場合を除き、チケットの払い戻し・お振替は致しかねます
    ※⾞いすでの鑑賞をご希望のお客様は、チケットご購⼊前にお問い合わせ先までご連絡ください。
    協力 ミュージカルカンパニー イッツフォーリーズ、劇団印象-indian elephant-、演劇集団円、株式会社オスカープロモーシ ョン、株式会社オールスタッフ、株式会社キューブ、有限会社プランニング・クレア
    新型コロナウイルス感染症対策のお願い ・発熱や咳などの風邪症状、発熱等、体調不良のある方はご来場をご遠慮ください。
    ・劇場ロビーや通路での密集を避けるため、客席へのご入場・ご退場の際には係が誘導する場合がございます。お待ちいただく場合もございますので、ご了承ください。
    ・公演中止の場合を除き、チケットの払い戻し、お振替はいたしかねます。
    ・基本的な感染対策に引き続き、ご協力をお願いいたします。
    ・公演時の感染拡大状況によっては、劇場内でのマスク着用にご協力をお願いする可能性がございます。
    助成 ⽂化庁⽂化芸術振興費補助⾦
    「舞台芸術等総合⽀援事業(次代の⽂化を創造する新進芸術家育成事業)」
    独⽴⾏政法⼈⽇本芸術⽂化振興会
    お問い合わせ 株式会社オールスタッフ 03-5823-1055(平⽇11:00〜18:00)
    ⽇本劇団協議会 03-5909-4600(平⽇10:00〜18:00)