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高校生のための巡回公演

すべての学校に演劇を!

 多感な時期にある高校生に優れた演劇の鑑賞機会を提供することを目的に、1974年から全国各地で実施しています。続く少子化、様々な格差の拡大といった近年の状況変化を踏まえ、全国の高校生に等しく鑑賞機会が担保されるための取組として、公演実施の他、普及活動や調査研究活動にも取り組んでいます。

撮影:成毛章浩

今、高校生にとって必要なもの

 

 日本劇団協議会が「すべての中高生に演劇を」という呼びかけを発してから約20年が経過しました。当時、県単位で高校生の芸術鑑賞に対する姿勢が異なっているために、育った地域によって全く舞台芸術に触れることのない子どもたちがいることを社会的に提起しようというキャンペーンでした。

 それが今、少子化、貧困の拡大等による高校生の環境悪化が進んだことで、演劇鑑賞機会そのものはさらに減少しているのが実態です。不登校、長期欠席、ヤングケアラー等々の統計数字で目に見えるもの以外にも、社会的な分断と孤立の広がりがあり、心の問題がクローズアップされてきてもいます。

               
               撮影:鈴木ヨシアキ

                                               

特にコロナ禍以降のこの数年で、あらためて「生の演劇の持つ生きる力」に注目が集まってもいます。演劇は視覚、聴覚等の五感を通じてダイレクトに客席に働きかけ、新たな価値観や世界観が提示されることで、生きる意欲を引き出します。

 今だからこそ、すべての高校生に演劇を届けたい。日本劇団協議会は学校、劇団、自治体と連携し、高校生の鑑賞機会の格差解消を目指しています。

《高校生のための巡回公演 令和5年度 実績 》

実施地域=21 都道府県
実施作品と回数=7 作品・66 回
上演校数=69 校
観劇者数= 45,169 名