
日本劇団協議会ってなに
演劇でつながる、
演劇をつなぐ。
「公益社団法人 日本劇団協議会」は現代演劇の統括団体で、「演劇公演の創造」「演劇界を担う人材の育成」「演劇公演の普及・啓発」を主な事業の柱としています。また、演劇の持つチカラを生かして学校教育や社会包摂に資する事業にも取り組んでおり、引いては「社会全体と演劇がつながっていく」、そうした理念のもとに、時代を見据えながらさまざまな事業を展開しています。
当団体の始まりは1956年に加盟40劇団で設立された任意団体の「劇団協議会」で、当時は主として「入場税導入への反対運動」等に取り組みました。その後、1992年には演劇では文部科学省認可の唯一の社団法人となり、2012年に「より公益性を持つ統括団体」として「公益社団法人日本劇団協議会」へと組織を発展させ、現在に至っています。
演劇でつながる
事業一覧
次代の演劇人を育てる

明日を夢見て、
演劇をつくる人になる。
「多くの観客に愛される質の高い芝居をつくりたい」「俳優として演技のスキルを磨きたい」「劇団活動のギアをもう一段階上げたい」――。
俳優のほか劇作家・演出家・スタッフとして芝居づくりを始めたばかりの若い世代の演劇人に向けて、公演を通じて最前線で活躍する演劇人と交流し、演劇の楽しさや面白さ・奥深さなどを発見するきっかけとなるさまざまなプログラムを用意しています。
「日本の劇」戯曲賞の公募とその上演、新進演劇人・劇団を対象にした育成公演、国内外の著名な講師による演劇ワークショップなど、これからの演劇界を担う若手が舞台での経験を積み、レベルアップする機会を積極的にサポートしています。
どこでも誰にでも演劇を

分け隔てなく、
演劇を届ける。
演劇をはじめとする芸術鑑賞の機会・芸術に関わりを持つ機会は年々、都市部に集中する傾向が顕著になり、今では首都圏を中心とする都市部と日本各地の地方とでは大きな格差が生じてしまっています。また子どもたちにとっては、幼い頃から芸術に親しむことのできる機会がことのほか大切です。それが「心豊かな未来の大人」に育ってもらうことにつながっていくからです。
子どもから大人まで、誰もが、住んでいる場所や置かれている生活環境に左右されることなく演劇が身近にある。そうした日常を、そうした社会をつくりだしていくために、今を生きる私たちには何ができるのか。そのためには地方自治体をはじめ、さまざまな団体とも意見交換を行って交流を図る。そうして少しでも多くの機会を実現していけるよう努めています。
「居心地のいい社会」をつくる

演劇のチカラで、
人と人とをつなぐ。
自分ではない「ナニモノ」かを演じること。これはほかのアート表現には見られない演劇の特色の一つです。演じてみることで、同じ事象を見つめるうえで自分とは違う視点があることに気づくかもしれません。相手の立場に立つことで、新たな発見があるかもしれません。
こうした出会いや気づきの機会はきっと、違う意見を持つ相手を受け入れ、互いをリスペクトし、そして自身の視野を広くすることにつながるでしょう。
そんなふうに人と人をつなぐことができる、それが演劇の面白さであり、演劇のチカラなのです。そうして「生きづらいと思い悩む人に寄り添う」「社会的に孤立した人をつくらない」。演劇にはそれを実現できる確かなチカラが間違いなくあります。
たくさんの劇団とともに

演劇環境を整え、
劇団と劇団とをつなぐ。
日本劇団協議会にはさまざまな劇団(演劇創造団体)が参集しています。そして、それぞれの出自を超えて、現在抱えている課題から未来のあるべき姿までを真剣に考えて実践しています。
これまでもさまざまな情報を共有し、多方面にわたる事業等を展開することで、2020年以降のコロナ禍による危機的状況でさえも劇団が結束することで乗り越えてきました。
しかし昨今、芸術文化は人間社会の基盤であるはずなのに、「不要不急」であるかのような言われ方をされる時が今なおあります。どんな時でも「演劇が日常に、演劇が社会にある姿を失わない」。
そのことを胸に掲げ、知恵を出し合い切磋琢磨しながら、明るい活力のある社会を目指して日本劇団協議会は邁進します。