掲載日:2006.4.4

日本劇団協議会NEWS No.169 発行日:2006.4.4

●「創作劇奨励公演」文化庁舞台芸術創作奨励賞受賞作品制作団体募集
日本劇団協議会では、文化芸術創造プラン(新世紀アーツプラン)「芸術団体人材育成支援事業」として、文化庁舞台芸術創作奨励賞受賞作品を毎年主催公演として上演しており、今年度は昨年度受賞の三井快氏の『円山町幻花』を朋友に制作していただく予定です。この度、平成17年度受賞作品が、下記のように発表されました。今回は特別賞1作品、佳作2作品でした。戯曲は事務局にあります。平成19年6月から平成20年2月の期間で上演をご検討いただける団体は、事務局までご連絡下さい。なお、制作団体は、作者と相談の上、公演企画委員会で承認し、常務理事会で決定されます。

◎企画提出締切=7月28日(金)
◎お問い合わせ=事務局・松村久美子 

*特別賞 「 漂流物 」 作/三井 快
贈賞理由/夏の終わり。荒涼とした浜辺にたたずむ一軒の海の家が舞台。ここの主人である男は、海に流れ着いたがらくたを拾い集めては、店先に並べている。それが彼の日課らしい。この家に集う人々は、主人ともども、この世界から捨てられ、流され、そして、壊れてしまった、いわば、漂流物=がらくたである。劇の冒頭から死臭が漂い、ただならぬ緊張感は、容易に先を読ませない謎めいた物語の展開も手伝って、終始弛むことがない。鋭利な刃物を思わせる切れ味鋭い台詞と、登場人物たちの壊れ具合、更には車から取り外された後部座席をはじめとする漂流物、主人公の亡き妻の鎮魂のための灯籠舟、自転車で旅する少年のスポーツバッグの中に入れられていた砂等々の<小道具>が三位一体となって、わたしたちの世界の影の部分を浮き彫りにしている。劇は最後に至って、三つの死の真相を明らかにするのだが、主人公の<日常>は、にもかかわらず、打ち寄せる波のように、なにも解らない。その恐怖!

*佳 作 「 帰り花 」 作/霜 康司
贈賞理由/はげしく揺れ動く時代のなか、その「激動」を言葉と行動でみごとに増幅、発展させ、多くの人々を感化した幕末の志士、吉田松陰−これは、「無謀でなければこの危機はのりきれない」と決意した松蔭の短い生涯をえがく、ミュージカル風な評伝劇である。幽閉された萩から江戸に移送される前夜から、安政の大獄で刑死するまでの切迫した時間のうちに、肖像画や人形劇といったユニークな仕掛けと、高杉晋作、伊藤利助(博文)、久坂玄瑞ら弟子たちのにぎやかな論議や歌声、牢屋内で囚人とかわされた教育問答などによって、松蔭の過去をテンポよく再現する。当時の西洋の侵略を現代とかさね、それにあらがう創造的な「狂人」をかかげるといった現在的な視点も興味深い。欲張って幕末の出来事をつめこみすぎた点、松蔭の明るく意欲的な面を強調し陰影がうすくなったこと、人々が声をあわせ時代を打破し、超えていくべき歌の言葉がやや平板に流れたことが惜しまれる。

*佳 作 「 神の井 」 作/村木 直
贈賞理由/はっきりいって人間関係を把握するのは大変だ。そして、過去になにがあってこのような話になり、劇中の十二年後どうなったのか、創造させるにあは材料が足りないように思う。しかし、人間とはそもそも人には知られない端からは理解できないものを抱え込んでいるものだということもできる。そう考えれば、謎がつきまとうのも大した問題ではないのかもしれないし、もしかしたら、そのあたりがこの作品の魅力なのかもしれない。面白いのは視点である。作者の視点は人間と同等に、いやそれ以上に自然に向いている。舞台には出てこない。土地、沼、水、源泉、そして蛇や榊などが、ある種、想像力を掻き立てる。人間以上に何を語らせている。それが、登場人物のことばに力を与えているようにも思う。実際、台詞は根拠である。しっかりしたものだ。作者の実感が伴っているのだろう。しかし、演じられた時、どこまで意図が成立するかは疑問が残る。今後に期待したい。

●「創作劇奨励公演」新進劇作家の公演企画募集
日本劇団協議会では、主催公演「創作劇奨励公演」事業で、前掲の文化庁舞台芸術創作奨励賞受賞作品の他に、新進気鋭の劇作家の作品を上演しております。下記の内容をお読みの上、該当する企画のある劇団は、その構想をまとめた企画書・戯曲各10部(これから書き下ろす場合はシノップス)と簡単な予算書を事務局へご提出下さい。なお、応募多数の場合は、文化庁舞台芸術創作奨励賞受賞作品上演を優先することをご了承下さい。

◎内容=新進気鋭で将来性のある若手劇作家の新作(試演程度の公演は構いません)
    *すでに創作劇奨励公演の対象となった作家は対象となりません。
*新進気鋭の劇作家の略歴を必ず企画書にご記入下さい。
◎上演期間=平成19年(2007年)6月〜平成20年(2008年)2月
◎企画提出締切=7月28日(金)
◎お問い合わせ=事務局・兼坂 

●加盟劇団上演記録募集
機関誌「join」別冊に掲載予定の上演記録を募集いたします。
 この記録は毎年日本劇団協議会でまとめ、発行しており、公演活動の貴重な記録として対外的に活用されています。記入用紙はエクセル文書をご用意しております。ご希望の団体はご請求下さい。

◎対象=2005年4月1日〜2006年3月31日
◎締切=4月24日(月)
◎お問い合わせ=一跡二跳・岸本匡史  tel : 03-3316-2824
        事務局・大笹ひろみ 

●平成18年度文化庁新進芸術家 海外留学制度・国内研修制度内定
日本劇団協議会はじめ各芸術団体推薦のうち、平成18年度研修員(演劇分野・日本劇団協議会推薦)が、下記の通り内定した旨、2月24日付け文書で文化庁から通知がありました。

【海外留学】
●1年派遣(350日)
大家仁志(俳優/青年座)=フランス(パリ)
椎原克知(俳優/文学座)=アメリカ合衆国(ニューヨーク)

●2年派遣(700日)
まろ(俳優/汎マイム工房)=ドイツ(ベルリン)
橘 佑衣(俳優/むごん劇かんぱにい)=フランス(パリ・ノルマンディ)

【国内研修】(10カ月)
大林佳奈子(俳優/演劇集団円) 小柳洋子(俳優/青年座) 
須藤黄英(演出/青年座)風吹可奈(俳優/東京演劇アンサンブル)

●主催事業「集中講座〜演劇を楽しむために」スカラシップ決定
日本劇団協議会では、標記事業のスカラシップ希望者を公募しておりましたが、次の11名を決定いたしましたのでご報告いたします。

井川ちなみ(汎マイム工房)、高橋幸子(青年座)、沖田愛(テアトル・エコー)、松熊明子(青年座)、中村大輔(青年座)、五味真由子(テアトル・エコー)、山口太郎(演劇集団円)、佐藤銀平(演劇集団円)、大門真紀(演劇集団円)、三原珠紀(SET)、池谷香(昴)

●新加盟団体のご紹介
かねて申込みの下記の団体について、理事会は、規約に照らして審議の結果、4月1日付けで承認いたしますのでご報告いたします。なお、この入会で、日本劇団協議会の加盟団体は86団体になりました。

*団体名  ハラホロシャングリラ
*創  立 1989年7月1日
*代表者  中野俊哉  担当者/寺澤正美
*構成員 36名(演技部30名、文芸演出部3名、制作部3名)
*代表作  「われもの注意」「ロマンチック」「ジェスチャーゲーム」
*所在地  〒167-0052 東京都杉並区南荻窪4−1−5 春日ビル3F
  TEL 03−3406−0252   FAX 03−5346−0320
*推薦団体  一跡二跳、サードステージ
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