掲載日:2005.4.6

日本劇団協議会NEWS No.161 発行日:2005.4.6

●「創作劇奨励公演」文化庁舞台芸術創作奨励賞受賞作品制作団体募集
日本劇団協議会では、文化芸術創造プラン(新世紀アーツプラン)「芸術団体人材育成支援事業」として、文化庁舞台芸術創作奨励賞受賞作品を毎年主催公演として上演してお
り、今年度は昨年度受賞の今井一隆氏の『痕−KON−』を青年座に、畠祐美子氏の『それどころでない人』を朋友に制作していただく予定です。この度、平成16年度受賞作品が、下記のように発表されました。今回は特別賞が該当なしで、佳作3作品のみでした。戯曲は事務局にあります。平成18年5月から平成19年2月の期間で上演をご検討いただける団体は、事務局までご連絡下さい。なお、制作団体は、作者と相談の上、公演企画委員会で承認し、常務理事会で決定されます。

◎企画提出締切=7月30日(金)
◎お問い合わせ=事務局・松村久美子 

*佳 作 「 赤い大地の上に立ち 」 作/尾崎太郎
贈賞理由/狂人か天才か、弱冠20歳で大ベストセラー作家とはなりながら、5年後には精神病院に隔離され31歳で早逝した特異な作家、島田清次郎を題材に、作者は自分自身の視点に基づき、果敢に戯曲の創作に挑んだ。その勇気と努力にまずは敬意を表したい。ある歴史上の人物を題材にした場合、どうしてもその人物の業績、生涯を描こうとするものだが、作者は島田清次郎そのものより、島田に関わる人間達の言動、追想によって島田像を作りあげようとする。つまり作者の視点がそこにある。一時の成功に酔い、破天荒な行動をし、ついには破滅する島田を悲しくも暖かく見つめようとする視点。それは社会の弱者の視点となっており、作者の意図が感じられる。しかし、全体構造は整理されるべき点もあり、人間描写にも甘さがある。台詞に力がある分もったいない。作者の今後に期待したい。

*佳 作 「 傾くまでの月を見しかな 」 作/三谷るみ
贈賞理由/天保期の江戸が舞台。史実を交えながら、ともに浮世絵師である父子の葛藤を軸に、戯作者、狂言作者等々の栄光と苦悩、そして彼らの屈折した恋愛模様を描いた一偏。登場人物が10人に満たないと思えないヴォリューム感。目まぐるしいほどに次々と事件が起こり、登場人物達は誰もがまるで生き急いでいるかのようにせわしい出入りを繰り返す。作品全体を貫く疾走感は、作者の狙いであろうが、一方で、個々の出来事、登場人物の形象を、通俗的な方向へと導いてしまっている。立ち止まって、対象をじっと見据える我慢も必要なのだ。それにしても、登場する女性たちの魅力のなさはどうしたことだろう。物語の点景の域を出ず、まるで男たちの添え物といった印象を拭えない。作者が若い女性であることを思えばなおさら、時代を超えた現代の女性の肉声を聞きたい。巻末にそえられた参考資料の一覧は、この作者の創作に向かう姿勢の誠実さを物語っており、今後に期待したい。
*佳 作 「 円 山 町 幻 花 」 作/三井 快
贈賞理由/渋谷円山町で起きた「東電OL殺人事件」を題材にしているが、従来多くのノンフィクション・小説などで提示されてきた孤立した人物像を排し、演劇ならではの魅力的な群像劇にしたてあげた作品である。舞台は、取り壊しのきまった小さなビルの屋上。そこは、ビルに事務所を構えるホテトル嬢や残っている住民たちの憩いの空間になっていた。人々を立ち退かせるために送り込まれた男も加わり、やがて壊されてしまうと皆知りつつ、どこにもない新しい人間関係を必死につくりあげようとする。井戸の底に沈んだ暗鬱な町に咲く幻花のような。切れのいい巧みな会話によって、それぞれの辛くしかし切実な人生が浮かびあがり、またバブル以後急速にすすんだ人と社会の荒廃も同時に点描される。後半、場所の解体をしめす部分はやや性急すぎたきらいがあるが、娼婦の死と光の重なるラストは、作品世界全体を凝縮して、じつに印象的なものになっている。

●「創作劇奨励公演」新進劇作家の公演企画募集
日本劇団協議会では、主催公演「創作劇奨励公演」事業で、前掲の文化庁舞台芸術創作奨励賞受賞作品の他に、新進気鋭の劇作家の作品を上演しております。下記の内容をお読みの上、該当する企画のある劇団は、その構想をまとめた企画書・戯曲各10部(これから書き下ろす場合はシノップス)と簡単な予算書を事務局へご提出下さい。なお、応募多数の場合は、文化庁舞台芸術創作奨励賞受賞作品上演を優先することをご了承下さい。

◎内容=新進気鋭で将来性のある若手劇作家の新作(試演程度の公演は構いません)
    *すでに創作劇奨励公演の対象となった作家は対象となりません。
*新進気鋭の劇作家の略歴を必ず企画書にご記入下さい。
◎上演期間=平成18年(2006年)5月〜平成19年(2007年)2月
◎企画提出締切=7月30日(金)
◎お問い合わせ=事務局・兼坂 

●「新進芸術家公演事業(仮称)」企画募集
社団法人日本劇団協議会では、昨年度で終了した「新進芸術家公演事業」の成果を踏まえ、急遽、新しいかたちの新人育成事業として、文化芸術創造プラン(新世紀アーツラン)の[芸術団体人材育成事業]への申請を検討しております。これまでの「新進芸術家公演事業」とは違い、[芸術団体人材育成事業]の公演事業は、支援額が予算の範囲内で経費の1/2相当額となっており、残る1/2以上はチケット収入等で賄わなければなりません。また、新規事業となりますので、採択されるかどうかや採択された場合の支援金もまったく未定です。この条件をご了承の上で、新人育成公演の企画がございましたら、事務局までご提出下さい。常務理事会で検討の上、平成17年度から申請をしたいと存じます。なお、事業名も新しく考える予定ですが、まだ決定しておりませんので、「新進芸術家公演事業(仮称)」とさせていただきました。
◎趣 旨  新人の俳優(芸歴1年以上)のために実施される公演。
◎期 間  今年9月から来年3月末までに終了すること。
◎劇 場  原則として劇場認可を得ていて、定期的に本公演が上演されていること  
◎経 費  経費の予算の1/2以上をチケット収入等で賄っていただきます。
      これまでの新進芸術家公演事業と違って、チケット料金の上限はありません。
◎企画書 作品名・作・演出・新人の俳優名・劇場名・期間・ステージ数・予算書
      フォーマットをご希望の方はメールでご請求下さい。折り返し添付ファイル      で返信いたします。
◎お問い合せ 事務局 兼坂・松村
◎締め切り 4月13日(水) Tel 03-3341-8151 Fax 03-3341-8844

●PRE緊急セミナー「個人情報保護法」対策のご案内
PRE(映像実演権利者合同機構)で、同封チラシのように個人情報保護法のセミナーが開催されます。顧客名簿の管理等、重要な問題だと思いますので、ぜひご出席下さい。

◎日 時   4月18日(月) 午後4時〜6時
◎会 場   恵比寿・エコー劇場
◎講 師   金沢 淳 弁護士(Field-R法律事務所)
◎参加費   1,000円(テキスト代、「別冊宝島 事例に即答!個人情報保護法」)
◎お申込み・締切 4月11日(月) 事務局・高橋

●加盟劇団上演記録募集
機関誌「join」別冊に掲載予定の上演記録を募集いたします。
 この記録は毎年日本劇団協議会でまとめ、発行しており、公演活動の貴重な記録として対外的に活用されています。「上演記録の書き方」を、よくお読みの上、ご記入の上ご提出下さい。なお、記入用紙はエクセル文書をご用意しております。ご希望の団体はメールでご請求下さい。

◎対象=2004年4月1日〜2005年3月31日
◎締切=5月9日(月)
◎お問い合わせ=事務局・大笹ひろみ

●平成17年度文化庁新進芸術家 海外留学制度・国内研修制度内定
日本劇団協議会はじめ各芸術団体推薦のうち、平成17年度研修員(演劇分野・日本劇団協議会推薦)が、下記の通り内定した旨、3月31日付け文書で文化庁から通知がありました。
【海外留学】
●1年派遣(350日)
一谷真由美(俳優/演劇集団円)=アメリカ(ニューヨーク)・イギリス(ロンドン)
香原俊彦(俳優/民藝)=イギリス(ロンドン)
中澤聖子(俳優/TPS)=フランス(パリ)

●2年派遣(700日)
清野美土(俳優/むごん劇かんぱにい)=フランス(ノルマンディ・パリ)


●特別派遣(80日)
井上倫宏(俳優/演劇集団円)=イギリス(ロンドン)
國峰 眞(演出/演劇集団円)=イギリス(ロンドン)
西海真理(俳優・演出/朋友)=イギリス(ロンドン)
福士惠二(俳優/加盟外)=フランス(ダンケルク)

【国内研修】(10カ月)
太田 緑・ロランス(俳優/サードステージ) 上原弘之(俳優/1980)
鬼頭典子(俳優/文学座) 千田恵子(劇作・演出/青年座) 原口優子(俳優/青年座)
長谷川敦央(俳優/木山事務所) 真喜志康壮(俳優/青年劇場)
渡邉さつき(演出/演劇集団円)

●加盟団体担当者変更のお知らせ
*テアトル・エコー
 明石 誠 → 白川浩司
*俳小
 杉山裕子 → 猪狩 孝

●加盟団体の退会
劇団青い森(代表=細見圭)は、3月31日付けで退会いたしました。


●文化庁人事異動
 4月1日付けで、文化庁の人事異動がありました。長官・次長・長官官房政策課長の異動はありません。なお、これまで日本劇団協議会事業で大変お世話になった次の方々の異動先は以下の通りです。

西阪 昇 前・芸術文化課課長 → 文部科学省スポーツ青少年局総括官
兼定 孝 前・ 芸術文化課芸術文化課地域文化振興助成係長 → 著作権課庶務登録係長



●東京都歴史文化財団「創造活動支援事業」対象事業募集のお知らせ
 東京都歴史文化財団から標記の件でご案内がありました。申請される団体は下記へ直接お申込下さい。

◆財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場営業企画課
 〒171-2111 東京都豊島区西池袋1−8−1
 電話:03−5391−2111 FAX:03−5391−2215
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